コロナ禍を振り返る;これからの生活と心のありよう
今年5月、新型コロナウィルス感染症の感染症法上の位置づけが従来の2類から5類へ移行したことに伴い、私たちの生活も少しずつ制限が緩み気持ちもホッとする場面が増えてきたように思います。それでも医療や福祉の分野ではまだ気が抜けない、学校でも生徒らがなかなかマスクを外しにくい、というようなことはありますね。
コロナ禍の3年間、私たちは多くの新しい状況(その多くはネガティブなものでしたが)を目にし、その中に放り込まれたことでどんな気持ちで過ごしてきただろうか、と最近よく考えます。コロナ禍の初期においても「こんな状況を生きることは今までなかった、今起こっていることとそれに対する人々や自分自身の反応を覚えておこう」と思ったことを覚えています。
目に見えない不安が高まると目に見える敵を作って攻撃したくなるんだな、ということ。そしてそれは相当苛烈なものになりうるということ。「(私だけは)大丈夫なんじゃない?」とつい思いがちになること。普段あまり意識しない国や政治のあり方について身近に感じたりいろいろな感慨を抱いたりしたこと。仕事に出られなくなったことで逆に普段なかった余裕が生まれ、生活を振り返るきっかけになったこと。皆さんはいかがですか?
私たち臨床心理士は病院・クリニック等の医療現場やスクールカウンセラーとして勤める学校現場だけではなく、乳幼児健診における相談業務や犯罪被害、災害や事件事故等における緊急支援などの被害者支援、ハローワークや児童相談所など産業・福祉・行政分野等、さまざまな分野・立場で皆さんのお役に立ちたいと願い活動しています。鳥取県臨床心理士会としても会員の皆さんの日々の活動を支えるべく、また臨床心理士の社会的認知度や立場の向上を目指して渉外活動や研修活動に力を注いでいきたいと思います。
また、2019年には初めての心理職国家資格である公認心理師資格取得者が誕生し、当会会員も多くが取得しています。公認心理師資格のみお持ちの方も、所定の手続きを経ていただくことで当会主催の研修会に参加できる制度を設けていますので該当の方はぜひご連絡ください。身近に相談できる場があること、気軽に話し合える関係性の中でお互いの資質と技能の向上に努めていければと思っています。
令和5年6月 廣澤 あすか